人を突き動かすもの

恐怖という感覚。
人を突き動かす最も本質的な要素。

たとえば社員(従業員)には命がけであるという意識がない。人の行動の原点は恐怖心である。個体維持の本能から自己防衛のために動こうとする。

企業という、恐怖心をほとんど感じることがない中で人を動かしていくためには、人工的に恐怖を作る必要がある。だからムチャクチャ怒ったりする。

恐怖とは、未知のもの・正体の分からないものに対する収まりのつかない感覚。

たとえば死は最も身近で最も根元的な恐怖である。生きている間にそれをはっきりと知ることは難しい(できる方もいるらしい)。

正体が分からない方が恐怖感が増す。

映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(ホームページもちょっと恐い)は、恐怖の正体がわからないことが恐ろしさを助長する。去る1999年の7の月に降る予定だった「恐怖の大王」の正体も依然不明である。

その昔、大昔。

洞穴の中で何日も食べ物を口にしていない空腹感に苛(さいな)まれ、このままでは死んでしまう、という死と背中合わせの恐怖は人を狩りに駆り立てる。

恐怖が人間の最もプリミティブな感覚であり行動の牽引力である。