対極
結婚式はつつがなくお開き。
京都で一仕事ののち、二条で待ち合わせて
久々に学生時代の友人に会う。
嵐山へ。
ともに保津川ほとりを歩き、閑散とした亀山公園を散策する。
彼は3年前に大阪で結婚。その晴れ姿は今でも印象深い。
そして、始まりがあれば終わりがある。
彼にとって、それはあまりにも早すぎた。
人間の好みや意見は移ろいやすい。今日ある事を決断しても、明日には全く別のことに関心が向かい、昨日の決定を容易にくつがえしてしまうことがある。個人差はあるが、概して人間の自己規律の能力は完璧にはほど遠い。
日本経済新聞 2001年2月23日・朝刊「個人の自己統治を礎に」
きょうは一方で始まりを祝い、他方で終わりを知ることになった。
保津川の流れは大堰(おおい)川に通じ、さらに桂川にその姿を変える。
流れは連綿と続く。
川面(かわも)のさざ波はうねりとなって下流に運ばれる。
変化の流れに呑まれることなく己の櫓(ろ)を漕ぎ続けることは容易では
ない。
だからといって漕ぎ出さないことには何も始まらないのではあるが。