復習を促してもらう


英語上達のコツは、「自分自身で英語の表現を収集すること」「繰り返し見て覚えること」である。

表現力を養うために、豆単や参考書を使って、手っ取り早く単語や慣用句だけを暗記しよう、などと考えてはいけない。言葉はすべて文脈の中で意味を持ち、他の言葉と密接に結びついて使われる。文脈なしに単語や慣用句だけを独立して覚えても、それは実際には使いものにならない。

林暁央著 『情報整理で差がつく英語力』(はまの出版 1997年)p.21


高校生の頃に通っていた予備校では「フラッシュカード」と呼ばれる英語学習ツールがあった。その実体はリングで綴じた単語カード帳。文具店であればどこでも売っているものだが、使っているところは最近あまり見かけない。今でも使われているのだろうか? さておき、その使い方。カードの表に虫食いの英文とその訳文、裏に虫食いの答えを書く。必要に応じて関連語や補足説明を追記する。

単語カードといえば短冊状の細長いカードを連想しがちだが、「フラッシュカード」の場合は書き込む情報量が多いためハガキの4分の1くらいの大きさのものを使う。内容は以下のような感じになる。


 ▼カードの表

  The operator will (  ) you (  ).
  オペレータがおつなぎします。

 ▼カードの裏

  put, through

  put A through (to) B 「Aからの電話をBにつなぐ」


こうしたカードを1000枚くらい作った。覚えたカードはリングから外し、新たに作ったカードを追加する。リングに綴じられているカード群が覚える必要がある全英語表現ということになる。ノートや参考書と違って場所を選ばずに繰ることができて重宝した。使っていくうちに追加情報や覚えるための語呂合わせを書き込んだりして、自分だけの情報源となった。受験会場にはこれだけを持っていけば何にも勝る御守りにもなった。

あれから10年たった。

今でも英語の勉強は細々とながら続けている。まとまった時間は取れないので、コマギレ時間を使うようにしている。具体的にはメールソフト(Becky)のリマインダという機能を活用している。

▼1.購読している英語関連メールマガジン(多くはQ&A形式)で、できなかった問題や目を引く例文については、「フラッシュカード」と同じように虫食い文を作って、空行を数十行あけた後に答えと解説を書く。これを自分宛に“復習メール”として送信する。

このとき、リマインダとして送信すればそのメールを受け取る日時を指定できる。忘れた頃に届くようにするのがコツである(※空行をあけるのはメールを開封したときに答えが見えてしまわないようにするためである。スクロールすることで答えが出てくる)。

▼2.届いた“復習メール”に再度挑戦する。まだできなかったら再度自分宛に“復習メール”を送りつける。

▼3.1と2を繰り返す。

この手順を繰り返すうちになかなか覚えられないものが滞留するようになる。あたかも回転寿司屋で誰にも見向きもされずに延々と回り続ける河童巻のように。

毎日届く数通の“復習メール”はチマタに溢れる教科書や参考書にまさる自分のためにカスタマイズされた最良の教材となる。

── Saya ingin beljar bahasa English. (英語を勉強したい。)