危機感がもたらすもの


今日本をのみ込むグローバル資本主義金融危機を乗り切るには何が求められるのか。日本経済のかじ取りをする霞ヶ関と日銀を動かしているのは政府でも政党でもなく、深刻な危機だけのように見える。
日本経済新聞 2001年3月27日・夕刊
ローバート・ハウ氏(エイミック投信投資顧問社長)


人を行動に駆り立てるものは欲望であったり虚栄心であったり一時的な衝動であったりする。
でも一番強いものは危機感から来る恐怖心。

恐ろしい事というのは実際に起こってしまえば意外と何のことはない、ということが多い。むしろ「起こるぞ、起こるぞ」と言われている間の方がよっぽど恐ろしい。

ホラー映画でも化け物の正体がわからないから恐いのであって、その姿がスクリーンに一度でも登場してしまったら恐怖は半減する。数年前に「7の月に大王が降ってくる」と言われていたが、降ってこなかった。実際にこの目で見ないことにはあれこれ想像を膨らませてしまうため、恐怖感が増幅するのかも知れない。

いずれにしても、人は幾多の恐怖を乗り越えて前進してきた。
例えば、最初に納豆を発見した人は、腐っているその食べ物を食べるという恐怖感に立ち向かい、打ち勝った。

恐い物見たさや好奇心は人の進歩・発展には欠かせない。