メッセージは伝わるか <上>


木村拓也「ごめん、今日残業で行けそうもない(とノートパソコンに打ち込む)」
岸辺一徳「(背中合わせからくるりと振り向き)残業なんてしなくていいさ」
木村拓也「(ギョッとして)見たんですか?」
岸辺一徳「(画面を見続けながら)見てない」
木村拓也「見てるじゃないですか!」
岸辺一徳「結局会社は何もしてくれない」
木村拓也「だから?」
岸辺一徳「(無視して正面に向き直す)」
岸辺一徳「(おもむろに再び振り返って)会社は家族とはちがう
木村拓也「当たり前でしょ!」
富士通FMVのテレビCMより


例えば、誰でも信用してしまう{だまされやすい}人がいて、誰もが信頼を寄せる{誠実な}人がいる。

感動的な楽曲はこれに共感できるオーディエンスの心にのみ届く。また、どんな人をも感動させる調べもある。

メッセージがどのように解釈されるかは、以下の2つの要素の影響を受ける。

 1.受け手のとらえ方
 2.送り手のキャラクター(個性)

「株価は夏までには回復する」という発言に対して、同じように思っている人は心地よく聞き入れる。そうでない人にとっては居心地が悪い。

エンジニアとして入社した新入社員が
 「ぼくは管理職なんかにはなりたくないです」
と言うのと、
ピーター・ドラッガー
 「エンジニアは管理職なんかにはなりたくないんです」
と言うのとでは、受け手に伝わるイメージは異なったものになる。

それでも、外見や先入観をできる限り排除し、送り手のメッセージに注意深く耳を傾ければ、その根本にある考え方に触れることができるような気がする。