見えていなかったことが原因になる



…市立病院で今年8月、入院していた埼玉県内の50代の男性患者がエックス線撮影を受けた際、気管に酸素を送るチューブが外れて植物状態になった上、病院が事故を2ヶ月半以上、市に報告していなかったことが28日、分かった。(…中略…)

当時、病院内にいた医師らがチューブを元に戻すのに手間取り、約8分後にチューブを戻したが、男性は低酸素状態になり、脳に影響して植物状態になった可能性が高いという。

同病院は「全力を尽くしたが残念だ。今後は同様の事故が起きないよう、院内の医療事故防止対策委員会のマニュアルを見直すなどの対策をとりたい」としている。

日本経済新聞 2000年10月29日・朝刊


事故の多くは人の想定している範囲の外で起こる。あらゆるケースを想定して先手を打っておく必要がある。クールな洗い出しと、シャープな想像力が要る。