心配は成功の元
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Only the Paranoid Survive──。「偏執症だけが生き残る」というこの有名なフレーズは、アンドリュー・グローブ会長が1996年に上梓した本のタイトルであり、MPUの性能向上に偏執症的に取り組むインテルの企業風土を物語る。だが、グローブ氏がその自著で強調しているのは、偏執症ということだけではない。
むしろパラノイドが持つ「病的なまでの心配性」というもう1つの意味だ。企業が戦略を転換せざるを得ないほどの技術革新やビジネス環境の変化を、病的なほどの心配性でいかに早く察知するか、という点だ。
日経ビジネス 2001年7月16日号
例えば、車を運転するにはいろいろなことに注意を払う必要がある。前方や後方、曲がり角の陰などの周囲の状況のほか、スピードメータやオイルやガソリンの残量といった車の状態にも目を向ける。それによって事故やガス欠を未然に防ぐことができる。
注意しているから気づく。気づきは新しい注意を喚起する。まずは何に注意すればいいかを知る必要がある。