いつまで派遣でいられるか?


ミセス向けの高級靴・バッグ売場でにこやかに販売を担当する竹内由佳さん(22)は今春、伊勢丹に入社したばかりの「メイト社員」だ。

メイト社員とは、業務を販売か外商に絞った一年契約の社員。ほとんどを占める販売職の場合、入社時に「化粧品」「婦人・子供」など六分野から一つを選び、契約更新後も原則としてそこを動かずスペシャリストを目指す。従来の中途採用に加え、2000年4月入社から新卒にも対象を拡大。一方で販売職につくことが多かった一般職については、2000年4月入社を最後に採用を見送った。

入社一年目の基本給は17万6000円。従来の一般職より5000円高いが、ボーナスは一般職の半分程度で長期的に見ると昇給のカーブもなだらかだ。竹内さんは正社員の先輩から「契約社員ではもったいない」と言われることもある。しかし、学生時代から婦人服販売のアルバイトをしてきただけにこだわりがあった。「販売のプロとして実力をつけることが必ず自分のためになる」と話す。

日本経済新聞 2001年7月17日・夕刊


選択肢はたくさんある。あり過ぎるくらいある。さらに選ぶ側に「やりたいこと」がたくさんあれば、多対多の総当たり戦になって「マッチ」になかなかぶつからない。だから、最初の選択が難しい。

派遣社員(あるいは契約社員)であれば、とりあえずやってみることができる。「店頭」であれこれ悩んでいても埒があかないが、「ネット」(安全かどうかは不明)なら試しにダウンロードして一定期間試用してから、正規に「ユーザー」になるなり、別を当たってみるなり、選択肢の間を漂うことができる。

でも、いつまでも漂い続けるわけにもいかない。モラトリアムは時間稼ぎに過ぎない。


ゼネラルなスペシャリストになる