どこまで自分を追い込むか?


三洋電機が昨年6月に開発した「スポーツチームの戦術立案ソフト」。契約社員の村田祐造(26)が発案した。同社は昨年、新事業の種を持つ外部の若者に一年間働いてもらう契約社員制を導入。村田は9人の一期生の1人だ。

東大大学院で海洋工学を専攻、ヨットのアメリカズカップ「ニッポン艇」のスタッフも務めた異能。採用面接でソフト開発を提案、年収800万円で契約した。幸先のいいスタートを切ったが「一年契約だから毎年実績を出さないといけない」と覚悟する。

日本経済新聞 2002年1月6日・朝刊


業種や業務内容にもよるとは思うが、終身雇用を保証できないのならいっそ全社員を毎年更新の契約社員にしてしまった方がお互いにメリットが大きいと思う。企業側のメリットは言うまでもなくコスト削減だが、働く側は、むしろリスクが高まる。しかしそのリスクを補って余りあるメリットがある(このメリットは数値化困難ではあるが)。

人は身の安全が保証されると怠ける。ゆるむ。やわになる。危険があればそれを防ぐために努力をする。意図的に危険を作り出すことで自らを奮い立たせる。強くなる。競争優位に立つことができる。

そういえば、巨人の松井選手が昨年暮れに球団から総額40億以上の5年契約を示されながらも「一年一年が勝負」「来年は今まで通りで」と単年契約でサインしたことを思い出す。

企業はリスクを減らすことによって利益を確保し、傭兵はリスクを取って自らの腕を磨く。


「終身雇用」に期待できるか?
自分の意思で自らを束縛する
派遣会社の役割は?