河井継之助のIT革命


それとさ、誤解のないように補足するけれど、Linuxって決して新しい技術ではないんで 勘違いしないでね。Linuxは技術が新しいのではなく、Linuxをとりまく環境的な要素が 新しいということを覚えておいてね。オープンソースという考え方は今までにはない 全世界レベルでの開発スタイルだ。これからこういった動きが一般化すると 我々の開発の考え方自体も根本的に変えてゆかなければならないこともあるだろう。 Linuxの斬新さはつまりそこにあるわけなんだ。


新しい情報技術にキャッチアップしていくことは常に課題。

しかし、うわべだけをなぞっていてもこれを血肉化し自分のものとすることはできない。

「IT革命は知識レベルではなく識見レベルでとらえるべきである」と言った人がいた。

IT革命は何も今に始まったことではなく、たとえば古代における狼煙(のろし)は情報伝達手段であり、これを使い始めることはIT革命と言える。また、電話が初めて使われだしたことも同様にIT革命ととらえることができる。

この世の中にはまったく新しいものはほとんどなく、既知のもの同士の組み合わせに過ぎない。今までにないものに出会ったら、その底流にどんな考え方が流れているのかにまず目を向ける必要がある。

知識は知識そのものが単独で存在することはあり得ず、必ず何らかの考え方の一翼として組織的に存在している。

河井継之助は「知識など、生き方のなんの足しにもならない」と言い、知識ではなく、原理を生涯追い求め続けた。

それでも義理、恩と奉公といった前時代のパラダイムから脱することができず、一長岡藩と命運をともにしまう。