成功体験の陶酔

人の判断は自らの経験と記憶に依るところが大きい。
うまくいった時のやり方を適用すれば今回もうまくいく可能性が高い。

しかし、前回と今回とが全く同じ状況であるとは限らない。
また、その時はたまたまうまくいっただけであって、やり方の善し悪しではなかったということもある。

例えば、締め切り間際に切羽詰まって原稿を仕上げたところ、思いのほか良いものが書けてしまった場合。
これに気をよくして「締め切り間際に書くと良いものが書ける」という成功体験が刷り込まれてしまう。

“たまたまできたこと”と“できるべくしてできたこと”とを明確に区別した上で、冷静な気持ちで成功体験の陶酔に浸りたい。