順番を決める

特に順番を決めておく必要がなくても、恣意的にでも決めておいた方がいい場合がある。
例えば、おフロに入ってからの体を洗う順番。

最初に洗うのは頭か体か。男性であればヒゲを剃るのは最初か最後か。
どの順番で洗ってもたいした違いはないかも知れない。

でも体を洗ってから頭を洗うよりも頭を洗ってから体を洗う方がしっくり来る気がする。洗う順番を気にし始めた時分からこの順番を守っているからだと思う。

体よりも頭を先に洗うようになったのは母親の影響。子供の頃、「最初に高いところを洗う。そうしないと水は上から下に流れるのだから、下から洗ったらせっかく洗ったところがまた汚れてしまう」というような説明を受け、非常に納得した。

どんなことでも納得したことであればたいてい気持ちよくできる。

特に論理的な理由付けができない場合であっても、とにかく順番を定めておけば、繰り返すうちに頭を使わずとも体がそれを覚えて、より少ない努力でできるようになる。

電話をかけるときに、電話のかけ方を思い出すのに苦労したり、食事を前に箸の持ち方に悩んだりする人はあまりいない。それらの行為はすでに体が覚えていることであり、頭は別のことに使うことができる。

新たな発見は日々のマンネリからの脱出にも見いだされるが、意図的にマンネリに入り込むことでも今まで見えていなかった変化に気づくこともある。