客のことを知り尽くしていること

ジョー・ジラードはギネスブックにも載っている伝説の自動車セールスマンだ。古き良き時代には、彼はひとの10倍も車を売りまくった。(…中略…)ジョーは顧客に会ったら、1年間に12通のグリーティング・カードを送る。顧客の誕生日、ジョー自身の誕生日、祝日、時には8月23日などという、「何でもない日」にも(バースデー・カードを送るので、と言えば、まず全員が誕生日を教えてくれるだろう)。
セス・ゴーディン著/阪本啓一
パーミションマーケティング』(翔泳社 1999年)p.198


「本日はユニクロさんからお荷物です」

荷物を届けにやってきた宅配会社のドライバーが口にした言葉。暗に「前回は別のところからのお荷物をあなたにお届けしましたよ」と言われているようで少し気持ちが悪い。もっと言うと「私はあなたがどんな買い物をしているか、知ってますよ」とも取れて不気味。

宅配会社が同じであればどこからの荷物であっても同じドライバーが持って来る場合が多いから口に出さなくても同じことを思っているドライバーは多いのだろうと思う。コンビニやクリーニング店も同じことで、特に行く頻度が高いコンビニは時間帯が同じであれば店員はいつも来る客が何を買っているかはほぼ知り尽くしている。

確かに一流ホテルではボーイからポーターに至るまで上客の顔と名前を暗記していて挨拶は名前を呼びかけて行う。誕生日や料理の好みなども把握している。だが、こうした応対をされて気持ちがいいと感じるかどうかの線はきわどい。