だから書くのは恐ろしい

他に対して在るもの。他との関係において在るもの。一定の関係、一定の状況においてだけ妥当するもの。(『広辞苑』)
同じ文章でも人によって受け止め方や解釈が変わる。
同じ文でも状況によって正反対の意味を持つ。
同じ言葉でも異なったイメージを人に抱かせる。

自分の書いた文章が誰かを勇気づけたり癒したりすることもあるが、知らないうちに人を傷つけることもある。

自分では「いまいちだなぁ」と思って書いた文章であっても、人からは絶賛されることもある、かと思えば、快哉(かいさい)を叫ぶような出来であっても歯牙にもかけられないこともある。

自分で書いた文章で自分自身を感動させたり共感させることは、自分の拳で自分の顔を本気で殴ることに似ている。人に殴られて初めてその痛みがわかる。人を殴ってみないことには殴る時の心境は理解できない。

文章は常に相対的。