それぞれの凹に合った凸で応じる


フロレンティナの日課の1つに、朝食の支度があった。仕事自体は革袋に入った山羊の乳と一塊りのライ麦パンを八人家族に分けるという簡単なものだが、だれからも文句が出ないように平等に分けるためにはソロモン王の知恵を必要とした。
ジェフェリー・アーチャー著 永井淳=訳
ケインとアベル(上)』(新潮社 1981年)p.15

平等とは、「かたよりや差別がなく、すべてのものが一様で等しいこと」(『広辞苑』)。

そういえば、テトリスというパズルゲームがあった。次々と落ちてくるブロックを操作して横一列に並べることで消していくというただそれだけの際限のないゲーム。

列に1箇所でも空きがあるとその列は消えずに残る。必要は一定ではなく、また供給も一定ではない。凸凹(でこぼこ)があるからこそ、それぞれの凹に合った凸で応じる必要がある。そうなって初めて、ブロックも文句も消える。