今は予行か本番か?

舞台では稽古に稽古を積んで、しかるのちに本番を迎える。情報システムは開発環境で様々な条件のもとでテストを繰り返し、そして本番環境でユーザーの業務の一環として役割を担う。受験生は模擬試験で勉強の手応えを確かめながら本番である入学試験に臨む。ボウリング場における第1投目は練習ボールである。予行があって本番がある。

しかし人生には予行がない。毎日が本番。瞬間瞬間が稽古でありテストであり練習であり予行であり本番でもある。大半の予行は「予行」という名前の本番であって、「予行」という名前の予行はない。

本番の失敗は傷が深いものだが、失敗のリスクがあるからこそ、そこに努力の余地があり緊張の糸が張る。